院長・スタッフブログblog

小児矯正治療の症例4

こんにちは、中央区新富の榎本歯科医院、矯正担当の榎本 泉です。

コロナ禍の中、厳しい暑さが続いた夏もようやく終わり今年もあと4か月余りとなりました。皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

 

さて前回のブログでは、反対咬合のお子さん『小児矯正治療の症例3』をご紹介しました。今回は前歯のかみ合わせが一部逆になっているお子さんの例をご紹介します。

 

症例4)初診時年齢9歳0か月の女の子

<治療前> 主訴は「上の前歯の並び方が気になる」ということでした。

口腔内は乳歯と永久歯が混在している混合歯列期です。上下4前歯は永久歯ですが右上の歯が1本完全に内側に入っており、かみ合わせが逆になっていました。正面・側面写真でもお分かりのとおり、右上の歯が下の歯に隠れてしまっている状態でした。骨格的には大きな問題はなく、レントゲン写真より後継永久歯の歯胚も過不足なく骨の中に確認できました。

後日、お母様とご本人に検査結果についてお話しし、ご相談の結果、矯正治療を開始することとしました。

<治療経過>

小児期によく行われている治療ですが、上の前歯4本と左右第一乳臼歯2本の計6か所にブラケットを装置を付け、ワイヤーを交換することで徐々に歯を並べていきました(2×4装置)。かみ合わせが逆になっている右上の歯は下の歯に隠れてしまうほどかみ合わせが深かったので、このままの状態で歯を表側に出すことは困難でした。そこで写真のように一時かみ合わせをあげて、奥に引っ込んでいる右上の前歯が下の歯を乗り越えやすい状況を作りました。今までとはかむ感触が変わるので心配していましたが、お子さんは食事も問題なく食べられたとのことでした。右上の前歯が無事表側にでた後はかみ合わせの高さを元にもどして、引き続き歯を並べていきました。

<治療後>

装置をつけてから約1年後、上の4前歯が綺麗に並んだのでブラケット装置を外し通常通り保定へと移行しました。

このお子さんのように、上下の歯が一部逆にかみ合っているケースは多々見受けられます。歯が重なっている部分は歯ブラシが難しく、虫歯のリスクも高くなります。逆にかみ合っている歯が力を加えず自然と正しい位置に移動する可能性は低いです。さらに、内側に入っている上の歯がさらに奥の方に倒れてしまったり、また噛みこむことで下の歯が上の歯に押し出されて外側に倒れてしまったりする場合もあります。このような場合、お子さんの成長とともにさらにお口の中が複雑な状態になり治療の難易度が高くなったり、治療期間が長くなってしまうことがあります。歯並びの不正が比較的緩やかなうちに、ぜひ一度、矯正の先生に相談されることをお勧めします。