皆さまこんにちは。東京都中央区新富の榎本歯科医院、歯科衛生士の緑川です。
コロナの影響は未だ落ち着く兆しが無く外出自粛をどこまですればいいか、日々悩んでいることと思います。こんな日常はやく終わってほしいですが、みなさま体調にはくれぐれもお気をつけてお過ごしくださいませ><
前回オススメの歯磨剤を紹介いたしました。
そもそも「フッ素」とはどんなものなのか!? 今回はフッ素についてご説明いたします^^
フッ素は歯の質を強くする自然元素のひとつです。
フッ素は毎日の食事を通して私たちの体に摂取されている必須栄養素の一つでもあり、歯質を強化する効力が最も高いことから世界各国で虫歯予防に利用されています。
なのでみなさん知らず知らず食べ物からも微量ながらフッ素を取り込んでいるんです。
普通の水道水や飲料水のフッ化物イオン濃度は0.1ppm程度ですが、緑茶の葉には多く含まれ、200~400ppmもあって、抽出したいわゆる飲用のお茶にも、0.5~2.0ppmくらいは浸出しているようです。 このほか、酒類やビールにも0.2~2.5ppm、酢、しょうゆ、ソースなどで約0.2~1.3ppm、海水から得られた天然の食塩には比較的多く21~46ppmというデータがあります。
このように、あらゆる食品、あらゆる飲料水にフッ化物は含まれています。
ただ、このように食品に含まれているものは体内に取り込まれてしまうので、歯に効果を与えるというよりは体内に吸収され排泄物として体外に排泄されてしまうんです。
なので、食品でフッ素を摂取するというよりは、しっかりとした口腔ケア用品でお口の中にしっかりとフッ素を摂取させていきましょう!
フッ素の効果としては3つあります。
1.酸によって溶けてしまった歯面に硬い組織を作る(再石灰化の促進)
人間の歯は食べ物を食べたり、繁殖した虫歯菌などにさらされたりすることで、カルシウムやリンなどが溶け出してしまいます。(これを脱灰といいます)ですが、その後に酸性に傾き脱灰が起きた口の中は、唾液の働きによって徐々に中和されていきます (これを再石灰化といいます)
私たちのお口の中は日々こ1れを繰り返しているのですが、フッ素は、その溶け出したカルシウムやリンを歯に再び吸収する作用「再石灰化」を促進して、健康な歯へと導いてくれる役割を果たすのです。
2.虫歯菌が酸を作るのを抑制する
プラーク中の細菌はエサとなる糖を好みます。細菌が糖を取り込むことで、それらを分解し酸を作り出すことができるからです。
ですが、フッ素は細菌の糖を分解するための”酵素”の働きを邪魔する性質があります。これにより菌の活動は弱まり、結果的に口の中で酸がつくられにくい環境になるのです
3.歯の質そのものを強くして酸に溶かされにくくする
フッ素は歯の一番外側、表面の最も硬い部分”エナメル質”という部分に取り込まれます。
フッ素が取り込まれることで、エナメル質の中の主成分の構造(ハイドロキシアパタイト)が安定し、歯の質が丈夫(フルオロアパタイト)になります。これによって「酸に溶けにくい丈夫な歯」が作られます。
このように、フッ素には歯にとってとても効果をもたらしてくれます^^
「子供にはフッ素で虫歯予防」というイメージを持っているかたもいらっしゃることと思いますが、フッ素は年齢関係なく効果があるといわれています!!
年齢に応じてのリスクや応用方法は異なりますが、虫歯予防の為に是非ご家族みなさんでフッ素を併用したケア方法を積極的に取り組んでいきましょう☆