院長・スタッフブログblog

矯正治療は何歳からできるの?

皆さま、こんにちは。東京都中央区新富の榎本歯科医院、矯正担当の榎本泉です。

このたびの台風の被害に遭われた皆様には、心よりお見舞い申し上げます。被災された皆様が、一日も早く平常の生活に戻ることができますようお祈り申し上げます。

 

今回は当院にもお問い合わせいただくことの多い、子供の矯正治療について少しお話いたします。

小学校の歯科検診で歯並びを指摘されたり、同級生のお子さんが矯正治療を始められると、「うちの子も始めた方がいいのかしら?」と悩まれるお母さまもいらっしゃいます。

矯正治療は主に歯を動かす治療ですので、歯が生えていれば何歳からでも、また歯さえ残っていれば何歳になっても受けられる治療です。ただ、矯正治療をより効果的に行うためには、治療を開始するベストなタイミングがあります。

 

今回はその治療のタイミングについて注目してみましょう。

1)就学前のお子さん(出生~乳歯列期)

1歳6か月、3歳などの健康診断の中の項目に歯科検診があります。多くの子供の場合、3歳頃にはすべての乳歯が揃います。この頃は歯並びというよりは、主に乳歯がきちんと生えているか、虫歯などの表面的な異常はないか、粘膜や歯茎、舌に問題はないかということをチェックします。その後、保育園あるいは幼稚園などでも歯科検診が行われますが、同様にお口の中の清掃状態のチェックがメインとなります。いわゆる歯並びの治療について積極的に考えるのは、まだ少し早い時期といえるでしょう。ただ、お子さんのお口の状態から将来の歯並びを予想できる場合もありますので、歯医者さんで定期的にチェックを受けられると良いでしょう。

2)小学生(混合歯列期)

小学生になると大人の歯が生えてきたりお口の中がめまぐるしく変化する時期になりますので、いろいろ気になることも多いのではないでしょうか。お子さんの歯の型どりやレントゲン写真などの資料を揃えられるような時期が来たら、矯正治療の診断ができるようになります。

小学校低学年の頃から気をつけた方がよい歯並びは、出っ歯、反対咬合、前歯のかみ合わせが極端に深かったりあるいは上下の前歯にすき間があるような場合、またあごが曲がっているようなかみ合わせです。これらは子どもの頃に治療せずに放置しておくと、成長とともに骨格性のかみ合わせへと移行するケースが多いので、大人になってからの治療がとても大変になります。もしもお子さんがこのような歯並びであれば、ぜひ一度、矯正治療専門の歯科医師へご相談ください。

混合歯列後半の時期、つまり小学校高学年になり永久歯への交換があと2~3本のような時期であれば、矯正治療のスタートを少し待った方がいいかもしれません。なぜなら、中途半端な時期からスタートすると、矯正装置をつけている期間がいたずらに長くなってしまうかもしれないからです。ただ現状を把握するためにも、歯医者さんで相談してからにしましょう。

3)中学生以降(永久歯列期)

お子さんによりもちろん成長のスピードは様々ですが、12歳臼歯とよばれる第二大臼歯が上下左右4本生え、すべの永久歯がそろったら、いよいよ本格的な矯正治療がスタートできます。すべての歯をコントロールし、場合によっては永久歯を抜くことを含めた矯正治療の開始となります。

 

お子さんが小さい時期から、歯科医院への定期検診をお勧めします。そうすれば、お口の環境を見極めるプロである歯科医師から、お子さんの矯正治療開始のタイミングを逃さずにお話しできると思います。

現在では、大人の方が矯正治療を受けられることもごく当たり前の時代となっています。大人の方も、ご高齢の方も、歯並びで気になることがございましたら、ぜひご相談くださいませ。