院長・スタッフブログblog

インプラント治療について

何らかの原因で歯を失った場合に起こりうる他の歯への過負担や悪影響、また入れ歯装着における患者さまの違和感を考えたとき、大きく力を発揮するのがインプラントです。  インプラント治療とは、歯が無くなってしまった場所に歯の代わりとして人工材料を顎の骨に埋め込む治療法であり、比較的、新しい治療と思われがちですが、実はとても歴史が深く、なんと紀元前600年頃のマヤ文明期に、歯の代わりに貝殻が埋め込まれた骨が発見されており、このことからも私たち歯科医師にとって、昔から重要な研究テーマであったと言えます。 ではなぜ、近年になりインプラントが広く注目を浴びるようになったのでしょうか?その一方で、なぜ、依然としてインプラントが不安なもの、怖いものと思われているのでしょうか? 本来、インプラント「implant」とは、「移植する、埋没する」「移植片、埋没物」という意味があり、歯科以外の医科領域でも人工関節や人工内耳をインプラントと呼んでいます。 歯科領域では、1930年代以降、様々な材料を使ったインプラントが開発されました。他の分野で行われているインプラントとは異なり、歯科用のインプラントは、歯科の特性でもありますが、体の内(あごの骨)と体の外の環境を結ぶものになっています。そのため、生体内で安定し、外部からの細菌の感染に対しても抵抗できるものでなければなりません。 1950年代後半、スウェーデンのブローネンマルク教授はチタンと骨が結合することを発表し、実際の臨床においてもインプラントは長期間安定し、良好な予後を得られたことを実証しました。そのため、現在、歯科領域で広く用いられているインプラントは、ほぼすべてチタン製のもので、「オッセオインテグレイティッド・インプラント」という学術名で呼ばれています。 「オッセオインテグレイティッド」は、「骨に結合された」という意味で、つまり、「骨に結合された埋没物」ということです。インプラントが歯科治療で広く普及した理由には、この「オッセオインテグレイティッド・インプラント」の存在があります。 では、なぜ長期安定性が実証されているのに、いまだに不安で怖い治療と思われているのでしょうか? 一つには、チタン製以外のインプラントが予後不良のものが多かったこと。もう一つには、繊細な神経組織や血管が多く存在する口腔領域で外科処置を行うためかもしれません。しかし、多くの歯科医師がおそらく感じていることですが、インプラント治療自体は、他の歯科治療と比較しても特別に難しい治療法ではありません。 ただ、歯科医師にしっかりとした技術と知識があること、患者さまの適応を間違わないことが何よりも大切です。 適応を間違わずに、そして熟練した術者が行えば、インプラント治療は安全でたいへん有意義な治療法といえます。 インプラントはちょっと・・・とお考えの方は入れ歯のページへ>>